「紙の本」の危機は「民主主義」の危機ですー《書店と民主主義》

私、図書館ヘビーユーザーを自負しております。ブック○フも頻繁に利用していますが、気に入った本は新刊で2~3冊買い求め、自分用にキープするのはもちろん、本好きの友人にプレゼントしたりもします。書店も私にとっては、欠かせないスポットなのです。本、だあああい好き!

それなのに、町の本屋さんがどんどん減っている昨今。小さくて店長さんの思い入れが反映された個性的なお店がなくなっていき、残っているのは同じような品ぞろえの大型チェーン店ばかりになりました。哀しいことです。

AMAZONで一度、本を買うと、次々と似たような本を薦められます。でも、本というものは、違う考え方や新しい知識を、仕入れ、咀嚼し、自分の脳内のストックを増やしたり、時にはアップデートさせたりする、大事な触媒だと考えています。

フェイクニュースやデマがはびこるネット内情報は、扇情的なタイトルで惹きつけておいて、読んでみると「大したことない」ということがよくあります。本も書評や広告などで、なるべく”スカ”をつかまないように選んでいるつもりですが、自分一人の判断では、偏ってしまいがち。町の個性的な本屋さんの存在は、とても貴重だったのに、後悔しても遅いですね。

この本は、書店界の名物店長による現場からのレポートです。ヘイト本や、例えば元少年A(酒鬼薔薇)が書いた《絶歌》などをどう扱うべきか、といった、とてもデリケートな部分を「真摯に」書いています。

著者の説得力のある意見を読むうちに、また、訪れたい本屋さん候補が現れました。福嶋店長にお会いするのは、なかなか難しそうですが、一度、そのラインアップを拝見し、刺激を受けたいと思っております。

最後に、この本の中で私が一番感銘を受けた文を載せておきます。

「一人の男がこれほどの憎しみを見せたのなら、私たちはどれほどに人を愛せるかを示しましょう」

意味が分からないと思った方、本書で探してください。きっと心打たれるはずです。

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