作家の表現力・語彙力の凄まじさに今更ながら脱帽「きみは赤ちゃん」

いまだに結婚したことがありません。

妊娠ももちろん出産も経験しておりません。

でも、この「きみは赤ちゃん」。圧倒的な表現力・ボキャブラ、自由自在な訴求力で、本当に自分まで妊娠・出産・子育てを疑似体験しているような、壮絶なイマジネーションの世界に持っていかれました。

いやあ、今更なんですが、本当に「さすが」ですね。ここまで奔放な文章の力を見せつけられると、もうただただ、ひれ伏すように、母親の偉大さに恐れおののいてしまいました。

自分で出産する体験を放棄したわけではなく、ただ機会に恵まれなかっただけなのですが、やっぱり自分のBabyってカワイイ♡んだろうなあ。妄想全開です。

母というか女という性の社会における立ち位置などを、作家の冷静かつ鋭い目線が捉えた、一種哲学的な内容まで包括しているのですが、あくまでも《やさしい》言葉だけで訴えかけてくる、その分、変にリアルでそして強い!

すごいなあ。作家と言う職業の、これもまた多分「性」なんでしょうね。

ここまで母という、世の中にいなければ社会が成り立たない大事な存在が、実は全然理解されていない。その壮絶な大変さを、【男ども】に知らしめるためにも、この本を全男性の必読書にしていただけないかと、かように思うわけであります。

川上未映子さん、よくここまで克明にメモし記憶し思い出し、書いてくださいました。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。心より御礼申し上げます。