「安閑園の食卓」に胃袋をつかまれる

林真理子さんが絶賛していた、安閑園の食卓 私の台南物語 辛永清著 をようやく読了しました。今の私はよだれダラダラで、お腹がぐーぐー鳴り、ネットで猛烈な勢いで「中国料理」の食べログを検索中です。この本はダイエットをしている方には、大変《危険》です。

邱永漢氏といい、辛永清さんといい、中国の方は何故これほど食へのこだわりが深いのでしょうか。材料の選び方から下ごしらえ、調理のしかたまで、手を抜くということがないのです。世界三大料理の一つですが、世界一と称しても褒めすぎにはあたらない気がします。漢方や薬膳の知識も食の中にしっかり根付き、病気になる前に食事療法で予防するという考え方。私は全面的に支持します。

著者は料理研究家として日本で活躍し、NHKの「今日の料理」などでもお馴染みの方のようですが、不勉強の私は全く存じ上げませんでした。

ドイツの、豚の血を使って作るソーセージのことも少し触れてあったので、ちょっと紹介しておきます。中国では鶏の血と豚の血は、それぞれの特性を活かして食べ方がいくつかあるようですが、ドイツでは Blutwurst ブルットヴルスト(Blut = 血、Wurst = ソーセージ)一本やり。これがレバーペーストをソーセージにしたような濃厚なお味で、ビールに合うんです。勇気のある方は、現地でぜひお試しを。

中国語の挨拶と言えば「ニイハオ」というのが世界的に浸透しているようですが、実は中国人同士の挨拶として一般的に通用しているのは「ツーパオマ?」というそうです。直訳すると「ご飯 食べた?」 食の大国・中国にふさわしい表現だと思いませんか?