宇宙飛行士・向井千秋さんの夫が地上から送る熱い声援

私の究極の行きたい所は「お月さま」。地球が青くて丸いことをこの目で見、1Gの重力によって人間が快適に暮らしていることを、宇宙空間の無重力と月面にある地上6分の1の重力を体感することで、強く実感したい。

そんな途方もない夢を、いまだに密かに持ち続けています。

まあ、ほぼ無理なのは、よ~く分かっておりますが。

向井万起男さんも、かつては宇宙飛行士になる夢を持っていらしたようです。その傾倒ぶりは、並々ならぬ宇宙飛行士やその周辺に関する知識量でも伺えます。「オタク」と呼んでもいいくらい。

そんな万起男さんがアジア女性初の宇宙飛行士・向井千秋さんの配偶者として、彼女の生い立ちから厳しい訓練の様子や底抜けに明るい人柄を、ユーモアと愛情たっぷりに書いた本ですから、面白くないわけがありません。

「君について行こう」の下巻の中で、著者が

《直径家族》に両親が含まれないのは・・・

という疑問を呈していて、キチンとした回答をNASAに確認していない部分があります。これについては、以前ご紹介した「ぼくたちが選べなかったことを選びなおすために」幡野広志著 に詳しく書かれているので、向井万起男さんに教えてあげたいですね。

宇宙飛行士になるための訓練が過酷なのは、心底理解しているつもりです。何しろほんのちょっと間違えば、死と直結しているのですから。以前、インタビューかドキュメントだったかで、

【真っ白の千ピースのジグソーパズルを作る訓練】

というのがあると聞いて、ひゃ~~~~、と叫んでしまいました。NASAの周到なトレーニングをこなしている宇宙飛行士の方々に、本当に頭が下がります。

巨額のお金を積んで、ちょっとの訓練で宇宙旅行(一瞬らしいですが)を体験できる現代。それがいいことなのかは、私には判断できません。ただ、NASAが行っている宇宙へ人類を送りだすプロジェクトには、筋の通った信念が感じられ、ただお金儲けを考えているだけのような宇宙ビジネスには、大きな「?」が浮かぶのです。

向井万起男さんの上記の著書を読むと、私のモヤモヤの理由を分かってもらえると思います。宇宙に憧れや夢を持っている方に、ぜひぜひおすすめしたい3冊です。