緊急事態宣言で図書館が休館になったのをきっかけに、昔の本を読み返す、ということをしてみました。
ポール・ボネ。ご存知でしょうか? 在日フランス人のビジネスマンと自称し、日本について言いたい放題「不思議の国ニッポン」というシリーズで書き続けた、実は日本人のペンネームです。
フランス人の目から見たら・・・という切り口で、日本を礼賛したり批判したり。1970年代半ば~1990年代半ばまで、政治・経済・文化を余すことなく書き綴っておられます。
日本人は自分に自信がなく、外国人から褒められて初めて自信を持つ傾向が強いので、この自称・在日フランス人という名乗り方は、巧いアプローチだなあと思っていました。ヨーロッパや諸外国の事情にも、かなり通じて(おそらくよく勉強して)おられるし。ただ、繰り返される情報が結構多かったので、全巻を読もうとは考えませんでしたが。
フランス人と日本人の大きな思考の違いは、
仏)労働は奴隷に対する拷問
日)勤労は美徳
とみなしている点。私はフランスではなくドイツで数年生活しましたが、ヨーロッパ人の価値観は共通しているようで、年6週間の有給休暇を全て使い、残業をすれば振替休日が与えられ、で、余暇をたっぷり楽しむ習慣が身につきました。
多くの日本人は、長期休暇が与えられると「どうやって時間をつぶせばいいか分からない」となり、結局職場に行ってしまうそうで。なんとも気の毒なハナシです。
古い本ではありますが、ボネさんの指摘は今でも色あせないものが沢山あります。暇な時に何をすればいいか分からない方、こういう本を読んでみるのも乙なものですよ。