「神様からひと言」というタイトルから、ちょっといい話、あるいは泣ける話をぼんやり想像していた私。ところがどっこい、これがとにかく「笑える」んですね。
出だしでは、取り扱い商品を楽しく勘違いさせる数字とアルファベットが並びます。中盤では、消費者クレームに対応する、そのリアルでぶっ飛んだリアクションに、顎のタガがはずれそうになります。
美味しそうな場面も、唾液腺を刺激します。あ~、こんな店があったら、ぜひ遠方でも行ってみたい!
荻原浩氏は「海の見える理髪店」で直木賞を受賞された実力派作家。この、「神様からひと言」は、受賞するよりかなり前に書かれた作品で、ラノベとは言えないけれど、かなりぶっ飛んだお笑い小説と言えます。
作者は絶対、楽しんで書いていますね。私も「筆が乗る」っていうか、調子付いてくると、どんどん文章が湧き出てくることがあって、ドーパミンが出まくっている感覚になることがあります。
で、この「神様からひと言」は夕方に読み始めたら、止まらなくなってしまって、久しぶりに”貫徹”しました。全然眠くならなかったのです。面白すぎて。
ステイホームが解除され、図書館もぼつぼつ再開し始めました。まだ読んでいない方で、楽しい本をお探しなら、ぜひぜひ、オススメします。