中学受験今昔。「勇者たちの中学受験」&「素直な戦士たち」

子供を持つ機会がなかったので、私の感想は世間の親たちからは隔絶しているのかもしれませんが、義務教育期間に私立へ行くという発想が、私にはよくわかりません。

日本語を教える仕事の一環として、外国からやってきた出稼ぎの親に連れられてきている小中学生たちに、マンツーマンで日本語を教えるというボランティアに限りなく近いこともしております。

彼ら彼女らは、日本語を学びたいというモチベーションがないことも普通で(親の事情で連れてこられたわけなので)子育て経験のない私は、どうやって《やる気》というか、日本語に興味を持たせれば良いのか、試行錯誤状態でした。

児童心理書や小中学校の教育関連書籍もかなり乱読しましたが、結局は

「まず、自分が対象学習者に興味を持ち、好きになる!」

ことが大事だと気付きました。

彼ら彼女らには、それぞれのアイデンティティを育む母語があり、日本語はあくまでも【外国語】。だから、低学年であればあるほど《愉しみ》が不可欠です。

中学生にもなれば、必要性を本人が自覚するし、第二言語の勉強の仕方も身に付いているので、まあ、私でも何とかなりました。

でも、小学生は手強かった。

また、気になったのは、日本人の小学生の親たちが「勉強が遅れがち」だからという理由で、外国人が増える傾向の小学校を回避する、という事実があることです。

わざわざ我が子をインターナショナルスクールに【お金をかけて】行かせる親があるというのに、なんてもったいない!

子どもたちの教育環境は、どんどん変わっているなあと、改めて実感しております。

おおたとしまささんの「勇者たちの中学受験」は、ドキュメンタリーに限りなく近い、親子の中学受験日記(フィクション)。一方、この古い文庫本は城山三郎先生の問題作「素直な戦士たち」。NHKドラマにもなり、当時かなり話題になりました。私もリアルタイムで観ていましたが、

これは、タチの悪いジョークかホラーではないのか?

と思うほど、衝撃的な作品でした。

出生率が低下し、どんどん”日本人の子供”が減っているのに、塾は発展産業で、私立の学校が増加。一方、公立の学校は、児童・生徒数の減少で統廃合されている。

なんか変だと思うんですが。

子供を産まずに、文句ばっかり垂れて、ごめんなさい🙇

文部科学省には言いたいことが山ほどあるのですが、ここで開陳しても無意味なので、今日はここまで。

おそまつさまでした。