世界のオザワの訃報に接して

残念です。

小澤征爾さんが指揮する演奏会に、とうとう行くことが出来ずじまいでした。一度でいいから生で拝見拝聴したかった。後悔先に立たず、ですね。

2002年、当時小澤さんがウィーンフィルにいらした頃、私も在独中で、ニューイヤーコンサートをテレビではありましたが、ライブで観ることができたのが、唯一の素敵な思い出になりました。

コンサートはもちろん素晴らしかったのですが、ニューイヤーコンサートでは(恒例なのかは存じ上げないのですが)様々なお国の言葉で、演奏家が「ハッピーニューイヤー」と挨拶もされます。

ちゃんとリスニングをしていなかったのですが、ウィーンフィルのオケプレイヤーは出身国もバラエティに富んでいますから、おそらくご自分の母語による「あけましておめでとうございます」をおっしゃっていらしたのだと思います。

いろんな国の言葉だったので、ボン○○はフランスかスペインかイタリア? とか、ドイツ語はさすがに知っていましたが、あとはただ、いろんな言葉があるなあ、くらいの感想でした。

指揮者でいらした小澤征爾さんがトリをとるのは予測できたのですが、茶目っ気のあるプレイヤーが直前に

「あけましておめでとう」

と、多分、オーストリア人かドイツ人だったかが、日本語で言ったので、小澤さんは目を丸くなさり、でもすかさず

「新年好 シンネンハオ」

と、中国語で挨拶され、さすがだなあと感じ入りました。

ちょっと得意そうに《してやったり》的なお顔をなさったのが、なんとも言えず魅力的でした。日本語の挨拶をした演奏家は「う、そう来たか。やられた~」みたいな表情になっていましたね。

団員の方みんなから愛され慕われているのが感じられたニューイヤーでした。

ご冥福をお祈り申し上げます。