芥川賞はちょっと苦手だった私。でもこの2冊はハマりました。

又吉直樹さんの代表作にして、堂々の芥川賞受賞作「火花」

プロフィールの欄に又吉直樹さんのお名前を拝借しておりますが、彼の読書の傾向には昔から注目していました。私の方が多分読書量が多いだろうというのは、単に私の方が長く生きているからで、他意はありません。

この「火花」が発表された時はすぐに読み、賞が発表される前に、芥川賞受賞を確信していました。

お笑い芸人が小説を書いたということで注目され、それが純文学の権威ある賞を獲ったということで、一躍、又吉さんは「時の人」になり、また芥川賞受賞作にしては脅威的な売れ方をしたのは、まだ記憶に新しいです。(すみません、芥川賞をおとしめるつもりはないのですが、直木賞の方が多く売れているような印象はぬぐえないので)

又吉さんの凄さは、その圧倒的なボキャブラリーの多さです。この「火花」も、同じ日本人がここまで豊富な語彙を使いこなすのかという”嫉妬心”を起こさせます。

「劇場」も読みましたが、「火花」の衝撃にはかないませんね。最新作の「人間」は未読なので、期待しています。

笑える芥川賞作品、村田沙耶香のコンビニ人間

「コンビニ人間」はとにかく可笑しい。村田さんご自身がコンビニで働いていたそうですが、古倉恵子のキャラクターは、一体どこから出てきたのでしょう。作家は想像の泉を持っていると言いますが、全て創作だとしたら、村田沙耶香さんの発想力は「無敵」ですね。

言葉の選び方というか使い方というかに、独特のセンスがあり、不思議なリズム感と相まって、笑いのツボに引きずりこまれていきます。

上記の2冊、どちらもあまり厚くないので、お手軽に読めるというのも魅力です。もしまだお読みでないなら、ぜひ。おすすめです。