中島ハルコさんが書いた本です。

林真理子さんの原作で、今、話題になっているドラマ「最高のオバハン」。大地真央さんが主演で、放映時間が夜遅いにもかかわらず、かなりの視聴率を稼いでいるようですね。

このオバハン・中島ハルコのモデルになっている女性が奥谷禮子さん。日本航空のスチュワーデスから一転、女性を活用する人材派遣会社、ザ・アールを起業、経済同友会のメンバーに女性で初めて選ばれるなど、華々しい経歴の持ち主でいらっしゃいます。

奥谷さんの豪快ぶりは林真理子さんのエッセイにも度々書かれていて、林さんにとっては小説のモデルとして格好の人物だったのでしょう。あまりに面白く描き過ぎて、奥谷さんからクレームが入り、続編をもっと出す予定が頓挫してしまったとか。ドラマ化にあたっても、どの女優を主人公に据えるかで、かなり気を遣わなければならなかったようです。

いろんなエピソードから、さもありなん、と、想像はついておりましたが、今回初めて奥谷さんのご著書を拝読して、その一刀両断ぶりには、ひれ伏してしまいました。強気の発言で叩かれても屈しない、強靭な精神の持ち主でいらっしゃいます。目線が一般の人とかなり違うようで、ご意見には納得するというより、「上に立つ方は、こういう考え方をなさるんだ」と、新世界を垣間見るような気分で読了しました。

リクルート時代、実は私、ザ・アール社の求人広告を作ったことがあります。当時から奥谷社長は有名人で、直接お目にかかりたいと希望していましたが、残念ながら取材は叶わず、電話で部下の方にインタビューさせてもらっただけでした。私の作った広告に、奥谷さんが実際目を通されたのか、さだかではありませんが。お忙しい方だから、部下に任せたら、ご自分では口出しされないような気がします。

「如是我聞」。シリーズ3作目にして完結編ですが、他の2冊も読んでみようと思っています。滋味ある言葉ももりだくさん。読んで損はありません。