ドイツの名宰相ビスマルクも救った自然療法の威力!

科学を全く否定するつもりはありません。ただ、科学礼賛という思考には、ついつい「漢方には中国4000年の歴史が・・・」とか、「人間が本来持つ自己治癒力を覚醒させるには、自然の生薬が一番」、などと抗ってしまいます。天邪鬼ですかね。

実は在独中、私には入院体験があります。印象的だったのは、まさにその《自然療法》。喉が痛いと言えば、このハーブティーを飲みなさい、頭が痛いと言えば、じゃあこのハーブティーを飲んで横になっていなさい、とハーブティー攻め。西洋医学の先進国のようなドイツにあって、薬が処方されなかったのは、不思議ながらも嬉しい誤算でした。私は基本的に薬が大嫌いだからです。

中国の薬膳や気の考え方は、理にかなっていると思いますし、やたら切ったり貼ったりする医者は、患者のことを考えず、自分の腕を磨きたいタダの藪医者だと、心の底では思っています。

水治療、断食、サナトリウム。ドイツの自然療法の代表です。森の中を散歩したり、自転車を愛好したり、山登りをしたりするのが大好きなドイツ人は、根っからの自然療法実践者と言えるかも。

部屋の中に長くいると「Frische Luft! フリッシェ ルフト!(新鮮な空気を!)」と言って、真冬でも窓を大きく開けるドイツ人。日光浴が大好きで、テラス席でお茶や食事を楽しむドイツ人。

そんなドイツ人を大勢見てきました。

この平凡社新書は二村店長の推薦本。ドイツ好きの私にと、わざわざ取り寄せてくださった好書です。

著者の森貴史氏はドイツ文化論の大学教授で、コロナ禍の大変な時期だからこそと、自然療法の歴史を丹念にひも解いてくださいました。とても意義深い本です。

コロナワクチンは mRNA という最先端医療の産物ですが、健康な生活を送りながら基礎的な抵抗力をつけることが肝心と、この本を読んで再認識しました。ワクチンのコールセンターで働きながら不謹慎かもしれませんが。

それにしても、3回目のワクチン接種も進んでいないのに、4回目を計画なんて、岸田総理は参院選を見据えて焦っていらっしゃるんでしょうかねえ。