小学校の先生と日本語の講師にベストな小説「空にピース」。読んでください。

生徒たちにこれだけ真摯に向き合う先生がいてくれたら。親たちはさぞかし心強くありがたく思うことでしょう。

外国人の義務教育生への日本語指導や母語支援のため、小学生の授業にお邪魔したことがあります。

担任教諭の仕事量の多さには、心から同情してしまいました。好奇心旺盛な年頃の子供たちがわんさかいる上に、国語や文化・宗教も違う生徒が混じり、授業だけでなく、保護者への連絡事項や、遠足などの企画・運営etc.etc…

これにモンスターペアレンツからのクレーム対応なんぞが加わったら、やる気満々で先生になった新米教師も、心が折れてしまうのは、想像にかたくありません。

私は国際色豊かな生徒たちがいる教室で、一緒に授業を「受けたい」とは思いましたが、「する」のは、よっぽど報酬を積んでもらわないと、ご遠慮申し上げるかもしれません。

と言いつつ、留学生や技能実習生に日本語を教えるのは、とっても楽しいんですけどね。

「空にピース」の澤木ひかり先生。フィクションではありますが、見習うべきところが沢山ある人物像です。

働き方改革が問われている昨今、ブラックな働きぶりであるという事実は否定できませんが、教師の仕事をどこで線引きするべきか、どの辺りを他人に任せられるか。また、生徒一人一人にアイパッドを持たせることは、果たして効率化につながっているのか。

文部科学省がかけているお金が、正しい投資になっていないような気がしてなりません。

澤木先生のような将来有望な人財が、良い教育現場を作り、子供たちの未来を広げていけるように。

素敵な読後感を味わえる良書です。ぜひ、お読みください!