ジンクスと迷信

【ジンクスの意味】縁起の悪い物事

【迷信とは】人々が信じている物事の中でも、合理的な根拠が無いものや言い伝え

さあて、この二つ、何がどう違うのでしょうか。日本語講師でありながら、ひっくるめてテキトーに使っているなあ。今日は、私の恥さらしを思いきりいたしましょう。

未婚です。まだ結婚していません。一生独身でいるかどうかは出会い次第と思っており、特に主義主張があるわけではありません。

では、なぜ今まで結婚していないのか。ここで今日のテーマ《ジンクス》をつなげます。

日本には、雛人形は桃の節句の後、早く片付けないと嫁き遅れる(今のコンプライアンスではヤバイ表現だなあ)という言い伝えがありますね。上の写真は市松人形で、初孫であった私に祖母が贈ってくれたものですが、私はこれも一種のお雛様的にとらえていて、年がら年中飾っておいたから、嫁に行き損ねたのでは、と考えていたことがあります。

でも、他にもあるんですねえ。

リクルート勤務時代。ある営業パーソンのクライアントにブライダル関連の会社があり、集客のお手伝いをいたしました。レンタルのウエディングドレス を選んで試着し、カメラマンに写真を撮ってもらって、テレフォンカードを作って貰える! という企画。無邪気だった私は飛びつき、友人二人も誘い(巻き込み?)ました。

3人でそれぞれ好きなドレスを選び、写真撮影後、仲良くランチして散会しました。テレフォンカードはそれぞれの家に後日郵送されました。

記憶がさだかではありませんが、おそらく昭和末期だったと思います。携帯電話なんてものはなく、ポケベル全盛の時代。公衆電話はあちこちにあり、テレフォンカードはとても価値あるモノでした。

ただし私は、この戴いたテレカは後生大事にとってあり、今でも500円分の通話が可能な状態です。

まだ続きます。実は母が冠婚葬祭の式場で仕事をしていた時代があり、ブライダルドレスのファッションショーに出演させてもらいました。これはまだ学生時代でした。

着物が好きで、呉服店の展示会に行って、ウエディングドレスと十二単も試着させてもらったこともあります。

ここまで来てお分かりの賢明な方。そうです。結婚前に花嫁衣裳を着ると、婚期が遠のくというジンクスを言いたかったのです。

私がこれまでに何度、ドレスやら着物やら、結婚式の主役が着る服を試したか。もうバカみたいにたくさんで、どんどんご縁が遠ざかっていったのですね~ もしジンクスが正しいなら。

もうちょっと続けます。私が連れていった友人二人は、結婚して子供も二人ずついます。でも実は少し遅かった。いわゆる当時の「適齢期」なる年齢からは、少し(かなり?)遅れての挙式でした。

ジンクスの存在を知ってから、この二人の結婚がとても気になり、一人嫁き、二人目が結納を終えた時には、責任を感じていたワタクシは、本当に安堵しました。

未だに結婚できていない己のことは《自業自得》と開き直っております。

まあ、本当にジンクスが正しいかはさておき。

ちょっとだけ、語学のお勉強もして、私の下がりきった恥ずかしい印象を、少しは引き上げたいと思います。

ドイツ語で迷信のことを Aberglaube アーバーグラウベ と言います。ABER は英語の BUT と同じで「でも・しかし」の意味。GLAUBE は動詞 glauben(グラウベン)の名詞で「信じる」。英語ならビリーブです。

在独中、このアーバーグラウベをドイツ人がどういう時に使うか、どんな事象に用いるかに注意していました。

四つ葉のクローバーやナナホシテントウムシ、1ペニヒ硬貨(ユーロ導入前のマルク時代の単位。100ペニヒ=1マルク)豚のマスコットなどは「幸運をもたらすモノ」。

一方、誕生日を祝うのは、必ず誕生日以降。前日にスタートしても「おめでとう」の言葉は深夜0時を過ぎるまでは禁句でした。これは留学時代にも体験したので、欧米系全般に共通した理念かもしれません。

曰く、誕生日前にハッピーバースデーと言われると早死にするんだとか。

どうでしょう。ジンクスと迷信、お楽しみいただけましたでしょうか。ではまた。