英語で読むトットちゃん

窓際のトットちゃん、1981年当時1000円。と、英語の文庫本

ステイホームを強いられていた頃、普段敬遠していた本を意識して読むようにしていました。

この「トットちゃん」の英語版は、翻訳がとても易しく読みやすいので、英語がサバイバルレベルの私にもじゅうぶん楽しめました。

黒柳徹子さんがLDだったという説は、トットちゃんが小学校1年生にして退学させられたというエピソードから、垣間見ることができます。珍しい机の仕組みを、何度も繰り返し試したり、チンドン屋さんを授業中に呼び止めるため、窓際で待っていたり。

LDというより、ADHDだったのではないかとも思える、微笑ましい行動ですが、教える側の立場からすれば、噴飯ものだったでしょう。私も現在は講師という職に就いていますが、こんな生徒がいたら、丁重に出席をお断りすると思います。小林校長先生のような寛容な心は、まだ残念ながら持ち合わせていません。

著者の強い意志により、映像化がされていないこの作品。世界中の読者の頭の中に、電車の車両の教室や、海のものと山のものが入ったお弁当、小児麻痺の生徒が活躍する運動会などが、おのおののイマジネーションで生きているのは、本当に素晴らしいことだと思います。きっと何億通りものトモエ学園が存在していることでしょう。

「窓際のトットちゃん」に感動した読者で、第2・第3の小林先生になってくれる方は、現れないものでしょうか? トモエで学んだ生徒達のその後の活躍を見ても、その教育方針の素晴らしさは証明済みです。不登校とかイジメの問題も、なくなるでしょう。

最後にドロシー・ブリトンさん、素敵な英訳をありがとうございました。