うつりゆく日本語

日本語の乱れを云々できるほど、正しい日本語を使っているわけではありませんが、明らかに間違った日本語を聞くと、やはり気になります。

コールセンターの仕事をしていると

「とんでもございません」

という言葉を頻繁に聞きます。正確には《とんでもないです》と言うのに・・・

この言葉を流行らせるキッカケになったのは「アルプスの少女ハイジ」のロッテンマイヤーさんではないかと、私はにらんでいます。クララが放った言葉に対し、麻生美代子さんの声が

「とんでもございません!」

と否定する場面。もう何回も見たので、目に焼き付いています。初めて見た当時は、にっくきロッテンマイヤー女史というイメージが強く、セリフの正しさにまで気がまわりませんでしたが(小学生だったし)、繰り返し見るうちに、「これ、間違ってるよなあ」と、妙なところに関心がうつるようになりました。

麻生美代子さんと言えば、長年《サザエさん》のフネさんの名声優として名を馳せた方でしたが、台本の間違いを指摘なさらなかったのかなあ、と、変なところで気になっています。

自分のあら捜し癖が強調されるようでイヤなのですが、日本語講師としては、キチンとしておきたいと常日頃思っています。でも、言葉は変化していくもの。多数意見が通る民主主義の社会ですから、明らかに誤った日本語も、マイノリティになれば正当化されていくのでしょう。

それにしても、オリンピックは多数派の意見ではなく、権力者の意思に引っ張られていっているようで。開会式まで1カ月だそうです。