東京オリンピックが2020年にやってきていたとしたら、どうしても見たかったのが「体操」、中でもキング・内村航平の演技でした。全盛期の物凄さは影を潜めつつあったものの、相変わらずその《美しい体操》を貫く『美学』に心酔し、大枚をはたいてでもという覚悟を、コロナが打ち砕いてしまいました。
無観客になったオリンピックには興味が沸かないどころか、私はコロナ禍でのオリンピック開催には反対の姿勢でしたから、テレビの中継は一切見ず、ニュースや新聞報道で若干かじる程度でした。
内村の引退には少し驚きましたが、年齢を聞けばナットクできたし、往年(は大げさかな?)の演技を思えば、そろそろ後進に譲り、指導者になるのも良い選択かもと思っていたところへ、引退試合のニュース。もう飛びつきました。
見たいと思ったものは、機会を逃さず見る! この精神を貫いていかなければ、絶対後悔する!
最近、特に実感している自分なりのポリシーです。
2022年3月12日。いってきました、東京体育館。松岡修造氏も応援に駆け付け、観客を盛り上げてくれました。内村航平と他9人のリオ・東京オリンピックのメダリストが魅せる技の数々。試合ではないので、笑いを誘うパフォーマンスや「ちょっとタイムさせて」のポーズなど、とても楽しめる内容でした。
6種目を内村航平は全て演技、各種目・他に2名ずつがキング内村を盛り上げるパフォーマンスを見せてくれました。キングがいかに体操選手から慕われ愛され尊敬されているかが分かる、素晴らしい1日でした。
私はアリーナS席で、上から3番目の値段(2万円也)でしたが、一番良い席だったかもしれないと思えるほど、感動できました。床演技の真ん前で、内村選手がこちらに向かって走ってくるところを目の当たりにできたし、真骨頂の鉄棒は競技場中央だったので、位置的にはベストポジションで堪能できました。
鉄棒の離れ業は、難度の高い技を内村選手が練習で挑み、残念ながら落下してしまいましたが、その空中姿勢をしっかり目に刻めただけでも眼福。本番では難度を落としたものの、失敗はなく、しっかり完遂してくれました。もう感激でした。
最後の胴上げも、目の前の床競技場でしてくれたので、なんとも贅沢なひと時でしたね。
いやあ、もう、自慢ばっかりです。すみません。皆様もチャンスは「天使の前髪をつかめ」の精神で、ぜひ逃さないでくださいね。