お茶目さ爆発 朝井リョウ「そして誰もゆとらなくなった」

前代未聞の若さで直木賞を受賞された朝井リョウさん。以来、意欲的に作品を発表されていました。

受賞作品は全て目を通したのですが、ちょっと私の好みとは異なっておりまして・・・

映画の原作もいくつかあり、ちゃんと読んだんですが、お若い方の感覚が、私の古い頭には少々理解し辛かったというかなんというか。

ところが、このエッセイ「そして誰もゆとらなくなった」、いやはやもう、豪快に笑わせていただきました。

こんな弾けた文章がスラスラ、スイスイ、湯水のように湧いてくる方なんですね。面白かったあ!

健康面にいささか問題ありというか、体質が読者の笑いのツボを刺激するというか。関わった方には、かなりお気の毒な面もありますが、そんなハズカシイお話を惜しげもなく披露される度胸の良さ。あっぱれです。

私の大好きな、さくらももこさんの三部作エッセイ「もものかんづめ」「さるのこしかけ」「たいのおかしら」をこよなく愛する朝井氏は、ゆとりシリーズ三部作をオマージュとして発表されたようで、この「そして誰もゆとらなくなった」は三作目にあたるそうです。

それはぜひ、前の2作も読まなければなりませんね。表情筋が思いっきり鍛えられそうで、今から楽しみ♡です。