小池百合子の暴露本

女帝 小池百合子  石井妙子著

お美しい方だと思います。お顔もスタイルも。でもお腹の中は真っ黒なんでしょうか? この本を読んだ限り、小池百合子さんという方は、稀代の大ウソつき、そして私が推測するに、一種のサイコパスでパーソナリティ障害(かつての人格障害)と思えてしまいます。

3年半という時間をかけて、じっくり取材を重ねて書かれたこの著書。これだけの裏付けがあるのなら、おそらく真実なのでしょう。それにしても、こんな虚言癖の女性が東京都知事という超重席についておられるという事実は、ひじょーにオソロシイものがあります。

カイロ大学を主席で卒業。これはもう大嘘のきわみであり、また学歴詐称はれっきとした公職選挙法違反です。そんな人が長らく政治の世界に”君臨”している。読んでいて背筋が寒くなりました。

この本の中では早川玲子さんという仮名で登場されている方が、重要なキーパーソン。小池女史がエジプトで過ごした時代に同居していて、つぶさに彼女を観察し、正確にいうなら、女史に振り回されていた、というお気の毒な方です。

吝嗇な小池女史は当時、ヒルトンホテルに泊まって、食器から何から全て持ち帰ってきた、など、笑わずにはいられないエピソードが盛りだくさん。

そんな小池知事の語録をここにピックアップしてみましょう。

「私、日本に帰ったら本を書くつもり。でも、そこに早川さんのことは書かない。ごめんね。だって、バレちゃうからね」

「もうマニキュア、塗り終わったから帰ってくれます? 私、選挙区変わったし」

「あったー、私のバッグ。拉致されたかと思った」

「私が権力者のところに渡るのではなく、私のサポートでその人が権力者になるんです」

「イケメンの自衛官を15人集めてちょうだい」

「この東京からアベノミクスをもっと引っ張っていけるような東京都知事になりたい。崖の下にパラシュートなしで飛び込む覚悟でございます」

「ジャンヌ・ダルクはね、火あぶりになるからイヤ」

どんな場面で上記のような言葉が飛び出したか。興味を持たれたら、ぜひこの本をお手に取ってみてください。

今度は彼女の行動面を書いてみましょう。

権力と寝る女、と揶揄されていた小池女史ですが、その変わり身の速さは、なんとも鮮やかです。しかも切る時は、相手を足蹴にし、わざとヒドイ言葉を投げつける。彼女の意図が私には理解できません。本には、今まで父が味わった悲惨な扱いに対するリベンジとありますが、この小池父という存在もまた、ものすごくユニークです。嫌われてしかるべきというか。

小池さんのような若い女性は、見た目と感じの良さで、あっという間に成功してしまう。男の成功者の苦労は分かっていないと思う。だから平気で男の人のメンツをつぶすし、立場への配慮がない。義理とか情とか筋を通すとか。『そんなに落ち込むなら、初めから私に近づかなきゃよかったでしょ。そっちが悪いのよ。私を誤解したんだから』とでも思っているような(以上、抜粋)

強い者に憧れ、自分も権力者になりたいと願い、蜘蛛の糸を見つけては這い上がっていく。あらゆる手段を使って、自分の描く物語を完成させる。こっちで笑顔、あっちで夜叉が平気でできる人。どんなに恩義のある人にも、後足で砂をかけるように蹴散らし、悔恨の情を全く見せない。この点が、私が彼女をサイコパスと推測した理由です。サイコパスについては、いずれ中野信子さんのご著書を紹介しますね。

実効性を無視し、人がまだ手をつけていないことをやりたがる。究極の自己顕示欲者ですね。ニュースキャスター出身ということで、メディアのことを熟知されており、また頭の回転が速いので、当意即妙に言葉を返すのは、ものすごい才能だと思われます。でも中身を沈思黙考する意欲がないのか能力がないのか・・・

ヒラリー・クリントン氏が”ガラスの天井”と表現していた、女性の上に立ちはだかる壁。それを小池知事は”鉄の天井”と言っていましたが、女性が権力を握るには、これほどめちゃくちゃに行動しなければ、到達できないものなのでしょうか? 読んでいて、女性であることが物悲しくなってしまいました。

メディアの怖さは、有名なこのエピソードを引きましょう。石原慎太郎氏の次の発言

「大年増の厚化粧がいるんだよ。これが困ったもんでね。俺の息子も苦労しているんだ。とにかくね、増田さんにやってもらわなくちゃ。厚化粧の女にまかせるわけになんかいかない」

この発言がここで切られて、女性から大バッシングを受け、小池女史に追い風が吹いたのです。この後に

「あの人はね、嘘つきですよ」

という言葉があったのに。

あまり書き過ぎると、皆さまの読書の楽しみを奪ってしまうので、この辺りにしておきます。

そう言えば、リクルート時代、営業ウーマンは期末が近づくと、胸に自信のある女性の胸元はどんどん広くなり、脚線美に自信のある女性のスカートは、どんどん短くなっていったなあ。小池知事のミニスカート・ハイヒールは彼女の戦闘服であり、最高のパフォーマンスを見せるための必須アイテムなのですね。

それにしても、この本の著者・石井妙子さんの安否が気遣われます。都知事の命が狙われたとしても、それはこれだけの過去があれば自業自得という気がしますが。

1500円というプライスでこのボリュームこの内容は、とっても魅力的だと思います。私は図書館で借りましたが、古書店に安価で並ぶ頃に、ゆっくり入手しようと思います。おあとがよろしいようで。