オピニオンブック 日本語を、取り戻す。

タイトルだけを聞いた時は、語学関連の本かと思っていましたが、表紙のアベノマスクの絵を見て、なんか違うぞ、となり、読み始めて、いろいろな笑い・嗤いが吹きだしました。いやあ、面白かった。実にユーモラスで、しかも鋭い舌鋒の名コラム集です。

日本人とは、自分の生活にフィットした商品や、好みに合ったものや、自分の可処分所得に見合った範囲の品物ではなく、《他のみんなが買い求めている一番無難な製品》を選ぼうとする国民である。うまいこと言いますねえ。

「共謀罪」法案に対する考え方は、少しくらい公安に監視される不快さは、枕を高くして眠れる快適さにくらべればマシだ、という例え。まあ、ほとんどの人は、冤罪で有罪判決を受ける可能性は皆無、という安心感を持っているでしょう。伊坂幸太郎著の「ゴールデンスランバー」みたいなことが起きたら怖いですけどね。

ホリエモン氏に対しては、私も懐疑的だったのですが、彼には「納税額の少ない人間は、発言権も抑えられてしかるべきだ」という高額納税者万能思想があるという指摘、納得です。

黒川弘務検事長の定年延長問題についての見解は、堂に入っています。「安倍さんは、ガチで自分が逮捕される近未来を予測している」。だからなりふり構わず、国会答弁を踏みにじる勢いで、当該の人事を貫徹しにかかっていると。なあるほどなあ。

日本のマスコミの弱腰振りにも苦言を呈しています。「いつの間にやら政権のモノ言いをそのまま伝える広報装置に姿を変えていた」特にNHK、ひどいですよね。

トランプ前大統領に対しても、歯に衣着せません。彼のスピーチは7歳児の英語で起草されていると断じています。そうですよね。だって私にも理解できる英語なんですから。

小池百合子都知事に関する「あいうえお」も面白いです。あざとさ。いかがわしさ。うさんくささ。えげつなさ。おしつけがましさ。お見事です。

以下のやりとりは、私、知らなかったんですが、本当にあったんですか? 

イタリア人記者「世界はほとんどロックダウンしています。安倍首相の対策は一か八かの賭けに見えます。もし、失敗した場合にはどういう風に責任を取りますか?」

安倍首相(当時)「例えば最悪の事態になった場合、私たちが責任を取ればいいというものではありません」

日本の国民のほとんどが、秩序正しい控えめな人種で良かったですね(これって嫌味になるのかなあ?)

われわれは、コミュ力の低い人間を障害者として分類せざるを得ない社会で暮らしている。

!!!

皆さん、自分の頭で考えてますか? もし思考停止に陥っているなら、改めた方がいいですよ。そして、この「日本語を、取り戻す。」を読んで、少しでも政治に関心を持ってくださいね。