ウスビ・サコ学長の「アフリカ人学長、京都修行中」を読む

フランス語、英語、中国語、そして関西弁を流暢に話すマリ人、ウスビ・サコさん。TVのサンデーステーションに出演中とのことですが、すみません、観ていません。

申し訳ありません。マリ共和国出身と聞いても、全くピンときませんでした。タイトルの”アフリカ人学長”で、どこにある国なのかが、やっとわかったテイタラクです。

京都精華大学の学長という立派なポジション。さらに、このご著書を読んで、表紙の写真がコスプレでなく《ほんまもん》であることも分かりました。

日本人でも理解できない京都流儀を、素直で賢明な目で30年近くも観察し続け、著されたこの本は、「おみごと!」とひれ伏してしまうくらい、立派な出来栄えです。

豊富な日本語ボキャブラリーは、ネイティブ日本人の上をいっているし、京都愛も半端ない。廃れつつある京都あるいは日本の伝統工芸の未来を、たくさんの例を出して、勇気づけてくださっています。感謝<m(__)m>

これだけ京都に精通していながら、尚も「修行中」というコトバを使う謙虚さ。見習わなければならないなと、気持ちを新たにいたしました。

知的好奇心が満たされる、とても興味深い1冊です。ぜひご一読を。