斎藤幸平先生「マルクス解体」拝読いたしました。

子供の頃、一応、女の子らしい一面(?)から、リカちゃん人形で遊んでいた時期がありました。ある日、リカちゃんにお人形遊びをさせようと思い立ち、小さな人形をリカちゃんに持たせました。少し経って、この小さな人形にもお人形遊びをさせると??? と、妙なことを考え始め、これはキリがないなと、変に達観し、以来お人形遊びを止めてしまいました。

小学校の1~2年生だったはずですから、哲学とか無間地獄とか、そんな難しいことを考えているつもりはなかったと思いますが、子供だからこその本能で「世の矛盾」とか「世の摂理」を突いていたのかもしれません。

最近、ランチタイムに身動きがとれなくて、やむを得ずファミレスを利用しました。テーブルの上のタッチパネルで注文し、配膳ロボットによってオーダーしたランチが運ばれ、お会計はセルフレジ。生身の人間による接客が皆無で、気持ち悪くなりました。人手不足と言いますが、AIにどんどん「ヒトの仕事」をさせるのが、本当に《正解》なのでしょうか。

私の悪い頭と貧相なボキャブラでは、上手く説明できなかったというか、根本的なところで間違っているのではと思っていたことが、斎藤先生のこの本で見事に説明されていて、胸のすく思いでした。

先生、ありがとうございます。

人気のない仕事をAIに任せても、そのAIを作る必要が出てきます。ベルトコンベアで仕事を効率化させても、そのベルトコンベアやシステムや大きなマシンも、結局誰かが作ったものだし、壊れれば修理も必要です。

SNSで悪意ある投稿を見つけて削除するのは、出来ればAIに任せてしまいたい作業ですが、微妙な表現の機微などを全てゼロかイチに置き換えて判断する電子機器には無理。すると人間が、このなんとも忌々しい「ゴマ粒拾いのような仕事」をこなさなければならなくなります。

いや、実際もうなっていて、ネガティブでダーティでバイオレンスに満ちた投稿ばかりを読む仕事に就くPCの前に座った多勢の方の映像を見た時、私は気の毒で気の毒でたまらなくなりました。実際、心を病む人が後を絶たないと聞きます。正常な感覚を保ち続けるには、強靭な精神力が必須と言えそうですが、こんな仕事が半永久的に続くのは、根本的にどこかで間違っているのではと思わずにはいられません。

アメリカでは臓器移植が必要な半病人が山ほどいて、脳死になる人を待っていられず、豚の臓器移植に活路を見出していますね。

これだって私に言わせれば「根っこがおかしい」です。臓器がおかしくなるような食事や健康を無視した生活の《成れの果て》ではないんですか。人工的に増産された化学薬品まみれのモノばっかり食べて、機械に頼り切った自分ではめったに動かない生活をしていれば、当然の結果だと分からない方がどうかしていると思います。

誰もがやりたくない、でも必ずなされなければならない仕事を弱いものにどんどん押し付けた結果が、気候異常を産み、世界をどんどん砂漠化しています。

そして、地球を見捨てて火星に行くんですか。イーロン・マスクさん。ハリス候補を貶めるフェイク動画を自分の思い通りに使える「X」で拡散し、トランプ候補を再度、大統領にしたいのですか。

水面下でトランプ陣営が行っている動きは、独裁者が生まれたシナリオとそっくりです。ニューヒトラーが誕生しますよ。トランプの祖先はドイツ人だそうですが。

ああ、書いていて怖くなってきました。斎藤幸平先生、お力添えをお願いします。ぜひぜひ!