純文学とは? 津村記久子さんの「水車小屋のネネ」でエンタメとの違いを考えてみたい。

世に名作や古典と呼ばれる本が多く存在します。

ある評論家は「すぐ分かる本を読んでも身につかない。分からない本を何度も何度も読んでこそ本物の読書だ」とおっしゃっていました。

私は分からない本は、早々と手をあげて降参し、もっとよく分かる本を探す《根性無し》。ロシア文学にハードな長編がいろいろ鎮座していますが、畏れ多くて手が出せずにいます。

読書好きな方と一緒に話をすると、楽しい会話が盛り上がり、刺激も多いですが、「芥川賞作家の作品が好き」という方にお目にかかると、引け目を感じてしまいます。

純文学。私にはまだよく理解できない、《インテリジェンスな大人の世界》。好きな芥川賞作家も数人いらしゃいますが、直木賞作家に比べて数は雲泥に近い差があります。高尚な頭を持ち合わせていなくて・・・

津村記久子さんもずっと「高嶺の花」な作家で、ご著書をあまり読んだことがありません。

でも、この「水車小屋のネネ」はハマりました。かなりの厚さがある、著者ご自身もおっしゃっている彼女の最長作品で、正直、持った瞬間「これ読了デキル?」と自問しました。

いやあ、面白かったです。これはもう、小学校高学年くらいから、読書好きを名乗る方々の必読本に指定したいです。

ヨウム・ネネ。最強のキャラクターですね。私、この鳥、欲しい!!!!! と諸手を挙げて叫んでいます。

飼うのは無理でも、どこかで本物にお目にかかりたい。

ああ、せめて、どなたか奇特な映画監督の方に映画化をお願いしたい。難しいことは想像できますが、作っている方々が自身で楽しくなってきそうな、とてもシアワセなおはなしです。

絵は描けませんが、ワタクシ、杉子さん役にチャレンジしたいです!