ご自身もシングルマザーでいらっしゃる著者黒川祥子さんによる渾身のルポタージュ「シングルマザー、その後」。
日本の政治家も官僚も、想像力がないのか面倒くさがりなのか、実態を把握しようとせず、おざなりに《制度の改悪》ばかりしているようです。
タイトルのように、日本のシングルマザーは世界で一番、一生懸命働いています。なのにその境遇は世界で一番劣悪です。子供(たち)のために身を粉にして働き、良い教育を受けさせ、でも巣立った子供(たち)はなぜか父親側にかすめとられ、ボロボロになった母親には、借金が待ち受け、国や自治体からの保障は打ち切られる。
メチャクチャじゃないですか。
国の法体制・保障制度などを作る基準は、いまだに「両親と子供2人家庭」なのです。まあ、一般的かもしれません。でも全てであるワケがありません。
この想定からはずれた人たちは、まるで《アナタの選択はおかしい》とつきつけられているがごとく、不遇に見舞われます。結婚し子供を二親(それも男と女に限る!)のもとで育て、離婚せずに添い遂げると、国はそれはそれは優遇してくれるのです。
おかしくないですか? 非正規雇用がどんどん増え、コロナで失業者が溢れかえる世の中で、救われない人々が大勢存在するというのに。
黒川さんの声の代弁とまではいきませんが、少しはこのブログが援護射撃になればと願います。
国から見放された女性たちの痛切な叫びをまとめ、制度の不作為を告発するルポ。ぜひお読みください。