日独ゴミ比較

燃えるゴミと生ゴミは毎週月曜日と木曜日。プラスチック容器は毎週金曜日で空き缶類は第1・第3水曜日、新聞・雑誌は・・・と日本の自治体が決めるゴミの回収ルールは本当にややこしいです。日本人でさえ「めんどくさい」と思うのですから、外国人が頭を抱えるのはよく分かります。

ドイツに住んでいた頃、回収日を気にしたのは、1年に1回、クリスマスツリーに使った樅の木のことだけでした。

私は集合住宅に住んでいたので、一戸建ての家の事情は分からないのですが、ドイツでは普通のゴミは毎日でも捨てることが可能でした。生ゴミと可燃ゴミ、それにプラスチックは、集合住宅に備え付けの大きなポリタンクに。街中には空き瓶用のコンテナがあって、散歩がてらワインボトルをよく捨てに行きました。新聞雑誌などの紙類も同様にコンテナがあり、出かけるついでに持っていってポイ。ペットボトルやビールの空き缶はファンド制だったので、お店に持っていって現金に。

とにかく日本に比べたら、システムはシンプルで合理的だった印象が強いです。

でも、日本で問題なのは《過剰包装》でしょう。お菓子の袋詰めがその中でさらに個別包装されているのをドイツ人が見たら、驚くより呆れます。私がよく手抜きの食事をしていたドイツの冷凍ピザの実態は、凍ったピザがそのまま箱に入っていました。ビニールのゴミは出ず、紙の空き箱はコンテナに捨てればOK。日本にいる現状と比較して、圧倒的に出るゴミの量が少なかったですね。

やっぱり、このゴミは収集できません 滝沢秀一著

お笑い芸人が副業で、ゴミ清掃員が本業と語る滝沢秀一さんの著書。命がけでゴミの収集にあたっている清掃員の方々のご苦労がしのばれます。

中でも目を引いたのは「お金持ちはゴミを出さない」という記述。これはドイツでもそうでした。

デュッセルドルフに引っ越した時、家具が全くなくて、駐在員が帰任する際に売り出す家具の広告を見つけては、訪問拝見していた頃。ドイツ人の同僚が言うには、

新興のお金持ちの家の前を狙え

本物のお金持ちは、マイスターが作った本格的な家具を100年単位で大事に使う。一方、新興の成金は IKEA で買ったオシャレな家具を見せびらかし、飽きたらすぐ買い替える。だから、デュッセルドルフ近郊の某市の高級住宅街には、時々、まだ十分使える家具が捨てられることがある。。。

私は車を持っていなかったので、この情報には乗りませんでしたが、お世話になった運送屋さんも同じことを言っていたので、事実なのでしょう。

本当のお金持ちは、見栄を張りません。昔、不動産屋さんでアルバイトをしていた時、関西で一番多く土地を持っているという顧客を訪問した営業マンが、オフィスに帰ってきてぼやいていました。

最初に出てきたお茶は、もう色しか出ない出がらしだったし、やっと出てきたコーヒーは、当然インスタント。ね、マシマちゃん、おいしいコーヒー淹れてくれる?

アルバイト先のキッチンには、玉露、レギュラーコーヒー、昆布茶などが常備されていて、食器はマイセンやウエッジウッド。いつも割らないように、ヒヤヒヤしながら使っていました。

お金持ちがものを大事に最後まで使うという話では、こんなネタもあります。

ある大金持ちの家に招待された時。お手伝いさんがコーヒーを運んでくれたのですが、カーペットのヘリにスリッパが引っかかり、コーヒーをペルシャ絨毯の上にこぼしてしまいました。すると奥様、雑巾ではなく、くたびれきった殿方のパンツをコーヒーのシミの上に広げたのです。

いやあ、ここまで見栄を張らないというか、最後まで使うというか。。。

滝沢さんによると、ゴミの最終処分場のキャパシティーはタイムリミットが20年だそうです。 

みんなで本物のお金持ちを見習って、ゴミを減らしましょう。まずは、必要なもの以外は買わないところから始めてみましょうか。