日本はなぜ基地と原発を止められないのか?

読み始めるとまず怒りが込み上げます。ことの重大さに呆然とし、あきれ、そしてだんだん情けなくなります。

米軍機は、沖縄という同じ島の中で、「アメリカ人の家の上は危ないから飛ばない」けれど、日本人の家の上は平気で低空飛行する。

なに、それ?!

さらにオスプレイは、アメリカ本国では、遺跡に与える影響やコウモリの生態に与える影響を考慮して、訓練が中止になっているにもかかわらず、日本に配備され、そして実際に「飛んでいる」。

日本人はコウモリ以下か?

本当に驚き呆れることばかりです。日本とアメリカの間に結ばれている数々の条約や密約は、高等なレトリックで、日本人の人権をことごとく貶め、蹂躙し、いや、「ヒト」として扱っていません。

米軍基地の問題だけではなく、原発の問題も深刻です。

もう世界中が見限っていると思える危険な原子力発電に、なぜ日本政府はまだ固執しているのか。私の本の読み方が間違っていなければ、日本は放射性物質の世界最終処理場という不名誉な地位に甘んじていることになります。そして、その処理をなんとかプラスに転じようともがく結果が「原発に使用する」という大義名分を産んでいる。

ここのところ日本人の死因のトップにあがっている「癌」。原因は様々あるでしょうが、私は処理しきれていない放射性物質の拡散により、隠れ被曝が増えている結果ではないかと睨んでいます。

東野圭吾氏の小説にも時々取り上げられている原発周辺で働く人々の悲惨な状況は、次のwebsite「原発がどんなものか知ってほしい」に詳しく書かれています。ぜひ読んでみてください。

日本には国境がない、だから独立国家でもない。そのことが、この本を読めば、よくわかります。情けないことに、現状では政府も官僚も、アメリカに対し自発的隷属の状態なのです。また、国連における「敵国」という国際法上最下層にとどまっているのは、世界でただ1国、日本だけです。

第二次世界大戦の日本同様の敗戦国・ドイツはキチンと謝罪し、憲法を自国で書きあげ、米軍を追い出して、国連での「敵国」という汚名を返上しました。日本にも名誉挽回のチャンスはあるのです。そのことも、この本には書かれています。ネガティブさが目立つ著書ではありますが、希望も持てる内容です。

木内みどりさんに触発されて、ようやく手に取った本ですが、もっと早く読むべきでした。猛省し、今、向学心に燃えています。一人一人の力は小さいけれど、集まれば大きなパワーになる。それを信じて、この不本意な現状を打破する道を見つけたいと思います。