アカデミックなお二人。なんとも高尚な往復書簡です。
視点とか発想とか、頭の良い方々は違うなあと、ただただ感心しながら読み進めました。
星新一氏という偉大な SF 作家を改めてもう一度読み返したくなりましたねえ。
もう、いつ頃だったかも全く記憶にないのですが、新聞でショートショートの SF を読んで、ずっと記憶に残っているものがあります。
科学者だったか医学者だったかが、地球上の細菌とか黴菌とかを「全部撲滅した」というところから始まりました。
すると、宇宙で虎視眈々と地球侵略を企んでいた異星人が、意気揚々と地球に乗り込んできた、というのが大雑把なストーリーでした。
「悪」というか、人間にとって邪魔者のような存在にも、実は価値みたいなものがあるのだなあと、子供心に妙に納得した記憶があります。
星先生の作品だったかどうかも覚えていないので、なんとも頼りない話ですが、この話の深さだけは、記憶に焼き付いています。
この往復書簡が書かれていたのは、コロナより10年くらい前ですが、感染症に関する記述は示唆に富んでいますね。
そして、一番心に残ったのは、
”医”が”工”の前にあってほしい
という、ある学生の感想文。染みました。
AI の台頭に戦々恐々な私には、心強いお言葉。頭が古いかもしれませんが、アナログ思考を貫きたいと思っています。