「やがて訪れる春のために」はらだみずき 心が冷えた時にどうぞ

こちらも、いわた書店2021年売上ランキング上位にご紹介されていた本です。1万円選書では普通、文庫本をおすすめしていたはずですが。この「やがて訪れる春のために」は発行が2020年9月。まだ単行本しか出ていないと思うのですが、岩田店長好みのストーリーで、たくさん売り上げられたのも納得がいきます。

庭に好みの果樹やハーブを育て、自分で目でも舌でも楽しむ。これは今、私が自宅の庭で目指しているところで(アボカドを育てていることは以前綴りました)キンカン、プラム、柿、青じそ、セロリなどを植えてあります。

母が花好きなので、どちらかというとまだ お花畑 な庭ですが、花より団子の私は《目標 果樹園》でコツコツと先々食べられるものを植えています。

はらだみずきさんのこの作品。庭を蘇らせ、自分の子供の頃の夢を叶えるという、素敵な物語でした。認知症の祖母と向き合う主人公・真芽が、私の大好きなキャラクター「ハイジ」を職業人にしたような、魅力的な女性。表紙のイラストは、飾っておきたくなるような可愛らしさがありますが、この本のストーリーを実にうまく表現しています。

寒い毎日が続いていますが、心温まりたい時に、この本は上質の時間をもたらしてくれるでしょう。読み終わると、心が《春》になりますよ。