スーダン人の日本語力に脱帽しました。

ダジャレ好きなアブディンさんにふさわしい、「我が闘争」ならぬ「わが盲想」。タイトルからして秀逸ではないですか。

内容も、盲人でありながら(失礼!)来日以来獅子奮迅の活躍で、日本語をマスターし、鍼灸師の資格を取り、大学生活も文武両道で満喫し、結婚して父親になり、と波乱万丈。笑いと涙が満載の名エッセイです。

私のドイツ語はアブディンさんの日本語には足元にも及びませんが、時々、異国人らしい新鮮な比喩や表現に出会うと、私の友人達も同じ感情を味わっているのかなあと、勝手に親近感を抱いております。

いい出会いに恵まれているのは、きっと人柄が優れていらっしゃるからでしょうね。前向きでユーモアに溢れ、しかも一生懸命。そんな人を見たら、自然と応援したくなるのは当たり前なんですが、なかなかできるものではありません。

その上、見えなくてもこんな素晴らしい本が書けるのですから、私も見倣わなくてはと、気持ちを新たにしました。

いろんな楽しみ方ができる2013年5月初版の本です。文庫本にもなっています。ぜひどうぞ。