いわゆる鈍器本にあたりそうですね。縦21cm、横15cm、厚さ4cm の立派で重いハードカバー本。2015年4月初版ですが、お値段5500円 ✙ 税。図書館でお目にかかる以外では、ちょっと手が出にくい書籍です。
ウクライナ侵攻がずっと続き、終息が見えない。プーチン大統領、一体何を考え、どうしたいのか。彼を突き動かしている心の奥底には、どういう感情が存在しているのか。
報道やネットでは掴めそうにない情報を、本に期待しましたが、元KGBのスパイ、一筋縄ではいかない人物で、著者も書きあぐねたようでした。
自分の情報を出さないことに徹底していて、家族にさえ本音を話さない。そんなんでメンタルが持つのかなあと、凡人の私には不思議ですが、自己顕示欲旺盛な面も見えるのです。なんとも不思議。
私がこれまで逢った男性に見られる傾向で、身長170cm未満の人は、おおむね自分の肉体にコンプレックスを持っていました。自分より背の高い女性に卑屈になったり、上げ底の靴を履いている事実を一生懸命秘密にしたり。
そして、背が低いという本人にとってハンディとみなしている面を、マッチョに肉体改造することによって覆す。プーチン大統領は正にそうで、わざわざ上半身裸になるシーンがよく見受けられます。
柔道をされているのは有名ですが、権力にモノをいわせて、スポーツカーで時速270kmも出したり、戦闘機を操縦したり、巨大な魚を釣りあげたかと思えば、虎を撃ったり(お膳立てが周到になされているようですが)好き放題満喫されていますね。
それをマスコミに報道させて、自分の強さ(肉体美?)をアピール。本人は楽しいでしょうが、周りは溜まったもんじゃないでしょう。もう、見せられているロシア国民も食傷気味だそうですが。
打開策がウクライナ侵攻だったんでしょうか。権力があまりに集中し、手段を選ばず弾圧を続けると、手放せなくなるのは、固執する理由があるのですね。
自分が権力を失ったら、仕打ちを与えた敵・部下・その他諸々からのリベンジが、間違いなく待っている。周りを固めていた側近も、同じ逆襲に遭う。それを回避するために、権力を持ち続けて一生を全うするしか、道がない(特に悪事を働いた権力者は)。
でもねえ、保身のために核爆弾とかを持ち出されたら、世の中み~んなが悲惨なことになるのに、破れかぶれになると、もうどうでもいいんでしょうか。
世界警察的立場をとってきたアメリカも、次の大統領がトランプになったら、ぜ~んぶ放っぽりだして自分の都合のいいことだけに専心しそうだし。
やっぱり、ウラジーミル・ウラジーミロビッチ・プーチンは不可解な人間、という結論しか出ませんでした。すみませんm(__)m