言葉に対する繊細さ、益田ミリさんに脱帽です。

言えないコトバ 益田ミリ著

芦田愛菜さんが推薦していた、益田ミリさんの「言えないコトバ」。自分自身は言葉に敏感なつもりでいましたが、益田さんの繊細さには参りました。

私は新しいものは、言葉でも物でも食べ物でも、すぐに使ったり食べたりしたい方です。

好奇心が強いので、家の到来物を真っ先に開けるのが、私。サザエさんやカツオのように、そのそそっかしさで、恥ずかしい思いをしたこともあります。

新しい言葉も、意味を確認せず、思いこみで使って、相手から「???」という反応をもらったり。

言葉を教えることを生業にしてからは、気をつけるようにしていますが、最近はやたらと増えた「カタカナ言葉」に四苦八苦しています。

古い国語の辞書に載っていないことが多いので、英和辞典を持ち出すのですが、スペルがわからない。まあ、最近はネットでなんでも調べれば、すぐ答えが出て、便利ですけどね。

益田さんの言えない言葉、例えば、「おひや」と「チェイサー」。私はためらいなく両方使っていますねぇ。バーカウンターで

「ハーパーの12年をダブルのロックで。チェイサーもお願いします」

なんて、おっさんみたいな注文を恥ずかしげもなく、してました。

水が場面によって「おひや」になったり「チェイサー」になったりする。確かにそうですね。そんな発想はなかったなぁ。せいぜい、英語では water ドイツ語なら Wasser ヴァッサーでこれは中性名詞とか、漢字はサンズイのつく文字は水に関するものだとか。なんというか、私の発想には「色気」がない!!!

益田ミリさんて、きっと楚々としたおしとやかな女性なんでしょうね。一度お会いして、その爪の垢を分けていただきたいものです。煎じては飲まずに、お守りにしてずっと持っていますので。

膝を打って「そうそう、分かる分かる」と強く肯定するのではなく、じんわりと「そうなんだよなあ、分かるなあ」としみじみ共感したり、ああなるほど、と、異見だけれど認知できるみたいな、不思議な言葉のチョイスです。

イラストがシンプルで馴染みやすいのも魅力です。リラックスしたい時に、ぜひどうぞ。