第168回 直木賞受賞作「しろがねの葉」世界遺産-石見銀山が舞台の重厚な物語 

年2回の選考がある芥川賞と直木賞。上等な読解力を持ち合わせていない私は芥川賞は苦手ですが、直木賞は大好物。

選考委員の皆様は常に新しい作家の発掘に余念がなく、ご多忙な中、膨大な量の書物を読み込み、さぞかし大変なことでしょう。

でも、こんな素晴らしい作品を発掘し、世間に「どうだ。読みなさい!」と薦められるのは、ある意味、醍醐味でもあるのでしょうね。

女性作家による女性が主人公の小説。ところが文体が重い・硬い。でも惹き込まれる。ぐいぐい読み進めずにはいられない。

石見銀山の過酷な歴史を丁寧に盛り込んだ上で、魅力的な登場人物を縦横無尽に動かして構成したストーリー。

読了後、上手いなあと、心の底から感嘆しました。これぞ直木賞受賞作! と拍手喝采です。

石見の銀が、原子力のウランにも想像が飛んで、作家という職業の思慮深さ・影響力の偉大さを見せつけられた気がします。

これはもう読むしかないです!!!