女子駅伝の素敵な物語「襷を我が手に」蓮見恭子

読みたい本のリストが50冊に迫っています。1日は24時間しかなく、どうやってこなすか、頭を悩ませているところです。

新聞や雑誌の広告・書評、読んだ本からのつながり、友人知人からの推薦、と読みたくなる本はどんどん増える一方なのですが、この「襷を我が手に」は母からのおすすめでした。

我が母は、レコードのジャケ買いならぬ、本の背表紙借り。週に少なくとも5冊のペースで読んでいて、おかげさまで80歳に手が届く老境(?)にありながら、認知症の気配はありません。

ハズレの本も一通り目を通し、面白かったら2度3度読み返し、借りては返しまた借りる、を繰り返しています。

そんな母が勧めてきた本なので、自分のリストから逸脱しても、返却期間内に読むことにしており、ありがたいことに新しい作家(今までマークしていなかった作家)の発掘につながっているのです。

前置きが長くなりました。スポ根ものは《気合》だけの話もよくありますが、蓮見恭子さんはスポーツ小説が得意分野という触れ込みで、なるほどディテールがしっかりしており、スポーツ医学・栄養学、アスリート心理や種目別の問題点などがきちんと書き込まれていて、感動しながら勉強にもなりました。

リズミカルな文章はテンポよく読め、トップアスリートの苦悩・喜び・挫折などがリアルに伝わってきます。

アスリートから指導者への転身、そして駅伝チームを作り一人ひとりを育てていく、というストーリーは、私自身の語学講師の仕事にも通じるところがあり、猛省しながら参考にしようと密かに誓っていました。

後半は目頭が熱くなることウケアイ。母に感謝しながら読了しました。