リリカルな世界観、新しい人間関係のあり方、恋でもなく愛でもなく。。。家内更紗と佐伯文の2人の間にあるつながりをなんと呼べばいいのでしょう。いや、呼び方を探す必要はないのでしょうね。
帯には「息をのむ傑作小説」とありますが、圧倒的なストーリーにノックアウトされてしまった感じです。事実と真実は違う。世の中に絶対的な真実などない。あるのは、それぞれの立場に都合の良い物語だけ。
例えば、相場英雄氏の「震える牛」などは、カタルシスを味わえない、大人な(?)終わり方です。森友学園の文書偽造事件なども、立場によって、様々な事実があるのでしょう。人は権力を持てば、なんでも許されるものなんですかね。
話がそれました。「流浪の月」、本屋大賞にふさわしい、説明不能の世界観が広がります。恋愛小説にあきたらなくなったら、う~ん、刺激が強すぎるかなあ。ワイルド好きな私ですが、文みたいなタイプが実在したら、そばにいてほしいと思ってしまう。思想替えさせるほど、魅力的なキャラです。私自身は更紗の母親になりたい、かなあ・・・気になった方は、ぜひ読んで納得しましょう。