空気を読む日本人と読まないドイツ人を2冊の本で実感
小説とハウツー物。これが日独の文化比較というか、ライフスタイルの両極端な面を浮き彫りにしていて、どちらも面白く読めます。日独のどっちが優れているかではなく、それぞれの良いところどりをする。人生をうまく生きていくには「柔軟性」が大切です。
愛してやまない本のこと、言葉のこと、そしてドイツに関することを綴ったブログです。
小説とハウツー物。これが日独の文化比較というか、ライフスタイルの両極端な面を浮き彫りにしていて、どちらも面白く読めます。日独のどっちが優れているかではなく、それぞれの良いところどりをする。人生をうまく生きていくには「柔軟性」が大切です。
現代医学の最先端をいっているように見えるドイツが、実は自然治療にも心酔しているというのは、ちょっと驚きの事実かもしれませんね。でも、リサイクル先進国で環境保護に熱心な国民性ですから「薬よりハーブティー」というドイツ人的発想はまったくもって《普通》なのです。
児童文学の名作を、私自身が子供時代に読んでいなかったとは不覚でした。時が流れても、良作は年齢に関係なく「面白い」ということを改めて実感。動物を《飼う》のではなく《一緒に暮らす》という発想。斬新です。
夏目漱石がいかに偉大な文豪であったか。その人望の厚さや、文章を書くことにも読むことにも卓越した才能を持っておられたこと、ユーモアのセンス、審美眼など、余すところなく丁寧に描かれています。ミチクサが多いほうが人生は面白い。蓋し名言です。
40で酒乱、50で人格崩壊、60で死ぬ。これがアル中の末路だそうです。アルコール依存症の特徴、なぜそうなるのかの具体的な例、互助の世界(アル中同士で集う)についての分かりやすい説明など、体験者ならではの話が盛沢山です。
競争の経済にあったかな血を通わせよう。医師らしい例えが、敬遠しがちな経済をイメージしやすく説明しています。苦境に立つ日本経済を、明るい未来に導くために。キーワードは「波」「回転」「フロンティア」。さて、日本は強くなれるでしょうか?
惜しまれながらも退陣されたドイツの前首相・メルケル氏。彼女の政治手腕を様々な人がいろんな側面から描き出した秀逸の評伝です。メルケル氏のお人柄が余すところなくクリアになり、益々彼女が好きになります。マリア・テレジアの再来と言われる女帝の生き様をお読みください。
1966年、ビートルズ来日! このビックイベントを成し遂げるために、永島達司という超好人物の存在が欠かせなかったことを、爆笑エピソード盛沢山でお伝えするノンフィクション。世界中のミュージシャンから愛と信頼を集めたサムライ男児の生涯をぜひお読みください。
あまりにブラックな世界を《小説の世界》だからこそ書けたと思いたい、直木賞受賞作にしては異色の作品と言えるでしょうか。審査員の先生方は「グロイ」表現に辟易されたのか? 私はかなりワクワク読み終えることができました。
日露戦争に「負けた」という仮定による、大正5年の東京が舞台。ロシア統治下で、国を揺るがす陰謀の幕が開く。警察小説の旗手が、正義の警察官・新堂を主人公に据えて、自在に読者の好奇心を揺さぶります。スパイ小説と言っても通じる、歴史改変小説です。