皇族華族の内幕を正確に知るための参考書「李王家の縁談」林真理子

高貴な方々の生活を垣間見たい。

女性週刊誌の格好のネタになるのは、今は皇后雅子様であり、また最近、少しは露出が減ったものの、いまだに注目されている小室眞子さん。

イギリスのロイヤルファミリーは風刺を寛大に認めていらっしゃるようですが、日本の皇室は右翼に護られているためか私の視野が狭いのか、コメディータッチに描かれているものさえ見かけたことがありません。

やんごとなき方々は経済的なご苦労がないとは言え、衆人環視の中、プライバシーを守ることがほとんどできません。人に見られるのが大好き!という性格の方も、世の中には大勢いらっしゃるのでしょうが、一挙手一投足全てに気を配らなければならない生活を強いられたら、たまったものではないでしょう。

使命を帯びて結婚する。お国のために一生を捧げる。いやあ、立派な方々ですねえ。高貴な血筋を守るというのは、想像を絶するご苦労があるのでしょう。

「李王家の縁談」は、かなり史実に忠実な小説です。伝記とかノンフィクションには分類されませんが、多くの文献を紐解き、内情までかなり詳しく書かれています。明治から大正、昭和初期にかけての歴史の流れを理解するのにも、なかなかの好書です。

眞子さんのことが気になって仕方がない方。あの騒動のバックグラウンドを知るための参考書としても、おすすめできる1冊です。