若者言葉と水に関する思い出

職場で20代前半世代が2人、エビアンを手に話していました。

「これって何? 初めて見た」 「そう? いい感じの水よ」

この会話の中に”ミネラルウォーター”という言葉が出なかったことに、私はとても驚くとともに、妙な感動を覚えました。日本語を外国人に教える時、「いい感じの水」という説明が伝わるかは、はなはだ疑問ですが、少なくとも日本人の若者同士なら、この表現がしっくりくるらしいのです。

以前書いたかと思いますが、我が家では水道水に竹炭を入れてしばらくおいたものを、飲料水として使用しています。毎日職場に持っていく水も、これを水筒にいれたもので、スーパーやコンビニ、自販機でペットボトル入りの水を買うことはめったにありません。

約100円で《水を買う》という発想は、昔はなかったものでした。それが健康のため、あるいは他の理由で、ミネラルウォーターを買うというのが、なかば常識になってしまって久しいです。

エビアンが硬水の、ボルビックが軟水の、それぞれ代表というイメージが私にはありましたが、これはあくまでも一部の人にとっての標準知識であって、その他大勢の方々には「六甲のおいしい水」とか「南アルプスの天然水」の方が身近なのでしょうか。いい感じの水・・・私にとっては奥深い表現です。

ちなみにボルビックは昨年、日本での販売を終了したそうです。ドイツ在住時は炭酸水に慣れるまで、この軟水が強い味方だったのですが。オーバーカッセルに住む高給取りの日本人ファミリーは、ボルビックの1L ガラス瓶入りか2Lペットボトル入りを毎週大量にケース単位で自宅へ配達させていたものでした。ボトルはリユースされるとは言え、贅沢な話です。

しばらく若者と同じ職場で働くので、彼女たちの言葉を傾聴して、若者言葉を勉強してみようと思います。なかなか新鮮で刺激的。日々精進ですね。