
言語には、それぞれ独特の言葉があって、外国語を母語(私の場合なら日本語)に訳せないケースがあります。
例えばドイツ語の「フェルンヴェー」。これは「ハイムヴェー」と対で考えるとイメージはしやすいのですが、日本語にはない表現です。ハイムヴェーは英語に訳すと「ホームシック」。敢えて日本語にするなら”里心”でしょうか。旅行先などで、オウチに帰りたい、となる心境ですね。
私は「母親の作った○○が食べたい」とか「大阪の焼き鳥屋さんのナンコツを顎がくたびれるまで堪能したい」など、食べ物に対する執着は強かったですが、ドイツに長く住んでいた間、日本に帰りたいという気持ちには、ほとんどなりませんでした。
で、自分にピッタリだと思ったのが、この FERNWEH フェルンヴェーという言葉。「遠くに行きたい病」です。辞書には”異国への憧れ”となっていましたが、旅に出たい、遠くへ行きたい、という心境をうまく表した言葉だと思います。
FERN フェルンが、時間的・空間的に「遠い」という意味、WEH ヴェーは「痛い」という意味です。
アルプスの少女ハイジはフランクフルトで重症の「ハイムヴェー」にかかって、大好きなアルムの山のあるスイスへ帰りましたが、私はかなり重い「フェルンヴェー」で、海外へ、とりわけドイツへ行きたい熱が高まっています。
どなたか連れていってくれないものでしょうか・・・