立花隆さんの「最後に語り伝えたいこと」を聞きましょう。

知の巨人の遺作です。心して読ませていただきました。

長い長い人生で学ぶべきことは

◎有効性を求めすぎてはいけない

◎運動なんて99%は負け戦

◎あきらめずに負け続ける

◎継続こそが力

深いですねえ。便利さを追求しすぎた現代社会への痛烈な批判と言えます。

「赤い屍体と黒い屍体」は、私が理想としている信念

「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」

を思い出させ、とかく逆になりがちな「かけた情けを忘れず、受けた恩を覚えていない」身勝手な自分を心より反省しました。恨み妬みは強い感情で、何かを産み出すエネルギーになりますが、ネガティブになりやすい。逆の立場もあることを受け入れられる広い心を持ちたいものです。

政治家や企業家が大きな脅威から逃げて逃げて、問題を先延ばしにしている現状にも、警鐘を鳴らしています。環境問題に早くから注目されていた先見の明。頭が下がります。

私は子供の頃、新聞で「原子力発電は安全だ」という大きな広告を見て、安心した記憶があります。具体的な数字を上げて、データベースで納得させられたのです。でも今思えば、改竄、または捏造した数字だったのでしょうね。情報統制の恐ろしさを今更のように感じています。

《日本は民主主義国家の中ではいちばん社会主義国に近い》

この一文の意味をしっかり受け止めて、正しい行動を取れるよう、常にアンテナを張り巡らせておく必要がありますね。情報過多の現代。正しい情報を摑むには、日頃の読書が欠かせない、と改めて思い知った、貴重な1冊です。