犬に関する将来の夢

いくつになってもこのコといっしょ

図書館の新刊コーナーで見つけた、一種のハウツー本。イヌじまい / ネコじまい という言葉で、ピンときました。私が密かに夢みている、「犬と暮らす」ということ、そして「犬を看取る」ということ。

まだ私が子どもだった頃、我が家で犬を飼っていたことがあります。ご近所のシェットランドシープドックが雑種の仔を産み、引き取り手に困っていたのを、どうしても欲しかった私が親に頼み込み、譲っていただきました。

どうやら父犬は柴犬だったようで、毛並みはシェルティにしては短めだけど、色が首回りと靴下の白をのぞいて金髪(?)という理想的な配色、顔は精悍な男前のオスでした。

名犬ラッシーというアメリカ物のドラマが大好きで、コリー犬が本当は欲しかったのですが、大型犬を飼うというハードルは高く、夢はどんどんしぼんで、コリーに見た目が少し似た中型犬、をなんとかゲットしたのです。

当時としては普通の屋外飼いで、エサも人間さまの食事の残り物しか与えず、残念ながら短命でした。フィラリアに罹ってしまったのです。

賢いコでした。犬好きの私は夢中になって育てましたが、蚊が媒介する怖い病気のことを知らず、気がついたらどんどん痩せて、お腹だけ膨らんでいるという異常な姿に呆然としました。

哀しいおはなしになるので、これ以上は書きませんが、生き物を飼うということは、責任や義務を伴うことを、子どもながらに学んだ気がします。

私はペットショップに関しては、かなり懐疑的です。ドイツにはペットショップはありません。ブリーダーから直接かうか、保護犬を引き取るかどちらかになります。また犬の躾は徹底しており、飼う前に犬の学校に入校させ、人間に従順になるように、きちんと教育されます。ドイツのレストランやカフェで”ペット”の犬が普通に入店してきたり、公共交通機関に普通に一緒に乗車したりしている姿は、うらやましいの一言につきました。

帰国後の私が考えていたのは、盲導犬育成士になることでした。社会に役立つ仕事をすること、加えて犬好きの欲求を満たすこと、として私にはまさに夢の職業だったのです。しかしあえなく頓挫しました。年齢制限があまりにも若過ぎました。私は立派な中年でしたから。

そんなこんなで、老後は「盲導犬のリタイア犬を引き取って看取りたい。できればゴールデンリトリバーのオス」などという贅沢な夢をまだ引きずっております。現実は保護犬を引き取ることくらいで妥協するのでしょうが、でも、その保護犬をセラピードックに育てて、世の中の役に立たせたい、と欲望は果てしなく続きます。

ドイツ語で犬は「HUND ・フント」と言います。ダックスフントと言えば、ああなるほど、となるでしょう。

犬を飼うなら、ドイツは理想的な社会です。日本もそうなってくれないものでしょうか? 電車やバスは手荷物扱い、レストランには介助犬でさえ、入店を断られるなんて。もうちょっと寛容になっていただけないですかねぇ。

というわけで、老後おひとりさま街道まっしぐらの私。せめてワンちゃんと暮らす夢を叶えるために、今からお勉強というわけで、冒頭の本を借りたのでした。竜之介動物病院がせめて近くにあればと、これまた見果てぬ夢を見ております。

著者・徳田竜之介さんがきっと徳の高い方なのでしょう。とても分かりやすい、親切な本でした。。。