紙の本は不滅です。

「本」とは。文字情報を必要なものだけ拾い上げて、プリントアウトした上に、きちんと綴じてある。おまけに、読むのに、端末も、ソフトも、電源もいらない。

そう、本とは《スグレモノ》なのです。

世に電子書籍がはびこって久しいですが、どっこい、紙の本はなくなりません。明かりさえあれば、どこでも読むことができ、書き込みも自由(もちろん自分の本に限りますが)。大量の本を持ち運ぶのは、確かに大変ですが、本には利点が「いっぱい」なのです。

何世紀にも亘って、自分のアイデアを残したいのなら、断然「紙の本」に軍配が上がります。ソフトがバージョンアップしたら、もうお手上げの電子系のものは、後世の人が見れば、?????、でしかありません。

電子辞書も確かに便利ですが、言葉はどんどん変化していきます。紙の辞書なら、新しい意味を書き込めますが、電子辞書はそういうわけにはいきません。ね、やっぱり「紙」でしょ?

そんな「紙の本」の良さを気づかせてくれた本が、この「紙の本は、滅びない」です。

コロナ禍で、遠隔授業を行う際、教科書のデジタル化がクローズアップされました。しかし、数学者・新井紀子氏は警鐘を鳴らします。高校や大学の授業に、1人1台パソコン配備は理に適っていますが、文科省は小中学生に端末を1台ずつ支給すべしと考えているようです。

《教育を、特に初等中等教育を、経済成長の手段にするようになっては、国はおしまいであろう》

新井氏の上記の言葉は、日本の将来を左右する、重要な意見です。

福嶋聡氏の本への愛情が深く詰まった1冊。「紙の本は、滅びない」。書店員の方には必読の書です。