本屋大賞受賞作「流浪の月」の印象があまりに強くて、凪良ゆうさんを少し誤解していたかもしれません。
この「わたしの美しい庭」。ライトノベルかと見紛うほど、文体が軽くてノリがいいのです。登場人物のバックグラウンドはラノベにしては重すぎる設定なので、普通の文学のジャンルに落ち着くのですが。
縁切り神社がマンションの屋上にあるという意味深な舞台背景や、移動式の屋台バーも、実在するならぜひ行ってみたい魅力的な場所。
統理君、百音ちゃん、路有君の抜群の距離感とおいしそうな食べ物の表記。
本を読むことで刺激されるイマジネーション力が心地よく広がります。
生きづらさを抱えた人たちが、皆それぞれ癒され、立ち直っていく姿は、静かな感動を呼び起こします。
楽しい気分になりたい人に、オススメの1冊です。