本格的(?)ライトノベルを読んでみました。阿部暁子さんのタイムスリップ物2冊!

高校生の頃、コバルト文庫というのが流行っていましたが、今は集英社オレンジ文庫という名前に変わっているのですね。主要登場人物が若くて「これぞ青春!」っていう内容の本を、長らく手にしていませんでした。

加藤シゲアキ君の「オルタネート」は一線を画しているので、本当に久々のコバルトシリーズです。

「どこよりも遠い場所にいる君へ」と「また君と出会う未来のために」阿部暁子さんの胸がキュンとなるタイムスリップ青春小説。プロットがしっかりしているのは書き下ろしだからでしょうか。伏線があり、うまく読ませるつくりになっています。

現実の世界では、タイムトラベルは不可能とされていますが、物理の世界では、高次元の存在を仮定することは可能で、4次元とは3次元空間が時間軸方向に広がっていると考えられるのだそうです。

高い次元を想像するのは難しいので、低次元で説明してみましょう。

羽の無い蟻は身体の高さを無視すると、2次元に住んでいると仮定できます。例えば壁が目の前にあると、蟻はそこをつたって登り下りをします。《面》を移動している、すなわち「2次元」です。ここに人間が登場すると、低い壁ならまたぎ越して行けます。蟻の目からすれば、瞬間移動/ワープしたように見えます。これと同じことが、4次元に住む人が存在すれば、同様に起き、つまり時間軸を自由に動ける、と理屈では考えられるわけです。

ちょっと難しかったでしょうか???

阿部さんの上記の2作品では同じ時間に同一人物が重複して存在する矛盾が、ある重要なカギとなっており、ライトノベルらしからぬ(?)精緻な構成です。

時間を戻せたら、は、おそらく全ての人にとって憧れであり夢であるでしょう。タイムスリップの可能性を100%否定はしませんが、もしそれを体験できるとすれば、その人物には「歴史を変えてはならぬ」「お金儲けに利用してはならぬ」という強い禁止事項が課されるはずです。

なんだか勝手に妄想が暴走していますね。私は過去を変えなくてもいいので、せめてハズカシイ過去が消せる「消しゴム」がほしいです。ドラえも~~~ん!