一流ホテルの接客技術で介護の心得を学ぶ「祖母姫、ロンドンへ行く!」

法医学者、監察医と私には畏れ多い肩書をお持ちの上、人気のシリーズ小説もお書きになっている椹野道流さん。申し訳ございません。全く存じ上げませんでした。

おばあ様とのご旅行のご記憶を鮮やかに蘇らせ、時折、絶妙のツッコミを関西弁で挟みながら、軽快に洒脱に、そして金言も織り交ぜられた珠玉の旅行記エッセイ。もう、完璧な作りです。

祖母姫、素敵な方ですね。こんなオバアチャンになりたい! と、心底思います。何事にも努力を惜しまず精進された方は、万人から尊敬されてしかるべき一流の人物になるべくしてなる! のお手本。見習いたいけど大変だなあ。

まだお若かった筆者が、遊びたい盛りに、介護と夜遊びを目一杯こなし頑張っている様子。それに感心・賛同し、応援する超セレブなホテルのスタッフたち。なんとも素敵な構図です。

おそらく舞台は有名どころの五つ星ホテルなのでしょう。各国の要人・VIPをゲストに迎える場所で働く方々は、粗相のないよう鉄壁のマナーを身につけておいでです。それが介護にもすんなり繋がっているわけで。

実際、成功者・政治家の重鎮など、お歳を召した一癖も二癖もおありの方ばかりだろうと、想像には難くありません。そんな大事だけれどもなかなかお相手するのは大変な面々に、いかに気持ちよく接するか。究極のホスピタリティ、ここにあり! ってわけですね。

ファーストクラスでのフライトに、五つ星(おそらく)ホテルのスイートルーム。絵に描いたようなセレブですねぇ。多分、私には一生縁がないような気がします・・・

バトラー・ティムさん。今、どちらにおみえですか? きっと出世なさって、ひょっとするともう支配人クラスでしょうか。ぜひ一度お目にかかりたいです。よろしくお願いいたします。