作家ご自身が「この2年間、ぼくはこの作品をおもしろくすることだけ考えてきた。これで直木賞を取りたかった」というくらい、力のこもった小説です。
テレビ受けするストーリーだと思っていたら、案の定、NHKがBSプレミアムでドラマ化しました。主人公の上川隆也さんはもちろんウマイ方なのですが、憎まれ役をあの武田真治さんが好演していたのが印象的でした。
地上波ではなかったので、ドラマの作りは地味な感じ。私はやっぱり《本》に傾きます。
連れ添って20年。発覚した妻の巨額隠し資産。もうこれだけで、ハラハラするではありませんか。
本の表紙も裏表紙も「これでもか~」というくらい、メッセージが込められていて、著者の執念のような”読んでください”オーラがプンプンです。
いまを生き抜く大人たちに贈る極上娯楽小説。ぜひご一読を。