母の本好きのお陰で、我が家には「窓ぎわのトットちゃん」ハードカバーの単行本・定価1000円也と同じくハードカバーの続編・定価1500円+消費税がそろっています。
いわさきちひろさんの柔らかくやさしいタッチの少女画の表紙は、黒柳徹子さんのピュアな文体を物語っているようで、子供も大人も手に取りたくなる装丁。今更ですが良本ですね。
世界中の読者から愛されている、1981(昭和56)年に出版されたこの本は、著者である黒柳さんが、読み手のファンタジーを奪わないよう、あらゆる映像化を断っていました。
最近になって映画化されましたが、続編を売るための伏線だったのでしょうか(笑) うがった大人の意地悪な目線ですねぇ~ すみません<m(__)m>
ものすごおおおく上から目線的ではあるのですが、黒柳さんの文章が、続編は飛躍的に「大人の文体」になっていることに、なんだか驚いてしまいました。
失礼な話ですよねえ。米寿を超えていらっしゃる立派な人物に対して「文が上手くなったね~」なんて、ホント何様のつもりでしょ?!
でも、正直に申し上げると、私はずっと黒柳徹子さんという女性が苦手な存在、というか、あの天然ぶりを苦々しく思っておりました。羨ましいならいいのですが、妬ましいはいけないですね。目標に据えて頑張るのではなく、引きずり降ろそうとする、いやあな性格。おお、ヤダヤダ。
黒柳さんのご著書はほとんど拝読して、キャラクター同様、自由な文体を慈しんでおりましたが、テレビで素っ頓狂な言動を拝見すると、こんなんを公共の電波に乗せていいの?と、畏れ多い感想を持ってしまう。矛盾しているとお思いでしょうか。
ユニセフ親善大使として、世界中の子供たちに惜しみない愛を注ぎ、純粋な気持ちを持ち続けて、世の中の《明らかな間違い》をきちんと指摘して正す勇気。本当に素晴らしい方だと、だんだん正面から拝めるように、私も変わってきたようです。
ロシアとウクライナ、パレスチナ問題と、紛争が絶えない世の中に、戦争のオソロシサを万人に伝える有効な手段「本」。
超がつく有名人が掃いて捨てるほど現れる、贅沢で秀逸なエピソードが全然尽きない【黒柳徹子さん】という稀有な存在。どうか100歳までお元気でいらしてくださいませ。