コロナ禍で田舎ライフや農業に目覚めたり活路を見出したりする人が、今後増えるのではないでしょうか。日本の食料自給率の恐ろしく低い数字を思うにつけ、地に足のついた農業従事者が増えれば、と密かに期待しています。
農業をテーマにした小説が、こんなに熱く面白いというのは、青天の霹靂でした。荻原浩さんのテンポの良い文体は、ディープ過ぎず、コミカルな中にもちょっとした感動を覚えるシーンが随所に見受けられ、飽きさせません。
イチゴを育てるうちに生まれてくるドラマ。自分で作った野菜や果物だからこそ、安心安全で、またその美味しさも格別なのでしょう。イチゴだけでなく、きゅうりや梨、カボチャ、などなど。グルメなレストラン紹介記事やレシピ本とはまた違った「ヨダレの出る表記」に、胃袋がわしづかみされます。
家族のつながりについても、ほんわかと考えさせるストーリーです。こんな夫婦・親子なら人生楽しいだろうなと、うらやましくなりました。
私の大好きなハッピーエンド系の物語です。気分を上げたい時にどうぞ。