アメリカ初の女性大統領なるか? カマラ・ハリス「私たちの真実」

「闘いの書」そんなタイトルがしっくりくるような、女性初、黒人初、アジア系初のアメリカ副大統領による渾身の著書です。

たくさんの問題が数字を上げて実に具体的に語られています。マイノリティ・弱い立場・そして何より《まっとうな》人を助け、守るために、カマラ・ハリス副大統領は精力的に活動されています。

少しでも後ろめたいものを持つ、しかも白人の権力者であるなら、彼女は目の敵となります。既得権益に固執し、不正隠しのために躍起になっている特権階級者たちに、容赦なくデータベースで事実を突きつけ、真実を明らかにしようとするハリスさんの活躍は、池井戸潤氏の小説の現実版を見るようです。

もちろん半沢直樹のように、悪に罰が下される、というわけにはいかず、権力を嵩に着た輩たちに、正義の執行を阻まれているケースが、残念ながら数多くみられるのですが。

公務をつかさどる警察や、公正な判断を求められる裁判官が、信じるに値しない不誠実な人物であるなら、この世の中はどれほど不自由で理不尽で怖ろしい所となるでしょう。タリバンや軍が制圧しているアフガニスタンやミャンマーではなく、自由の国・アメリカにおいて、有色人種や移民が常に息をひそめるように暮らさなければならない、という現実。元々移民の国であるにもかかわらず。

アメリカ合衆国に山積している問題は、翻って日本にもあてはまる難問が多く、ここまで「正義のために」闘ってくれている人物が日本の政治家に果たしているだろうかと、暗澹とした気分になります。

世界の常識「安全を確認した場合に販売を認める」ではなく、「危険性が確認されてから禁止する」というルールがまかり通っている日本。自分の身を守るために、私たちは正しい情報をいち早くつかみ、危ないものを回避する知恵を身につけておかなければなりません。そして公平な政治を行ってくれる政治家を政界に送りだすために、選挙にもきちんと参加したいと思います。折しも三重県は知事が変わります。このコロナ禍で正しい判断をしてくれるフェアな人物に投票する必要があります。

話がそれてしまいました。ハリス副大統領の今後の活躍に期待しつつ、この「私たちの真実」をぜひ日本の全政治家に読んでいただきたいと、無謀な願いで今日のところは〆たいと思います。