ケルン vs デュッセルドルフの行方

ケルンの大聖堂 堂々の世界遺産です!

ドイツには14の州があります。ケルンとデュッセルドルフはどちらもノルトラインヴェストファーレン州にあり、州都はデュッセルドルフです。

《デュッセルドルフ》ドイツ第7番目の商業都市。ドイツでも有数の国際空港があり、日本からの直行便も就航している。メッセ(見本市)が定期的に開かれ、その期間中はホテル代が天井知らずの値段をつける。日系企業が多く、日本人も多く住んでいるため、「ミニトウキョウ」との別名があるのは、以前触れた通り。繁華街には高級ブランドショップが並び、ドイツの中でもハイソなイメージのある街。カーニヴァルのパレードも有名。地ビールはアルトビール。歴史は浅い。

《ケルン》ドイツ第4番目の歴史ある大文化都市。オーデコロンとはフランス語で「ケルンの水」という意味の香水のことで、4711のブランドはかなり有名。シンボルのドーム(写真)が中央駅のすぐそばに聳え立ち、歴史の長さを誇示している。他にも文化遺産が数多くあり、また、テレビ・ラジオ局も集中している。地ビールはケルッシュ。この街のカーニヴァルのパレードが派手で、毎年テレビ中継される。

さて、なぜ「ケルンvsデュッセルドルフ」なのかというと、ケルン市民は憤慨しているのです。自分達の街の方が、規模が大きく、歴史も長い。なのに州都に選ばれなかった。一方的に怒りを募らせているのはケルン市民の方で、デュッセルドルフ市民は少し肩身が狭い印象を受けます。

もし、ケルンの居酒屋で”アルトビール”を注文しようものなら

「あの川がライン川だ(両市の間にはライン川が流れていて、ほぼお隣に近い位置関係)。アルトビールが呑みたかったら向こう岸まで泳いで行け」

と冷たく言い放たれます。ケルン市民の恨みつらみは深く、サッカーのカードがケルンvsデュッセルドルフになると、危険です。日本のプロ野球の巨人vs阪神よりももっとオソロシイかも。私は怖くて見に行けませんでした。

ドイツらしさを堪能したいなら、断然ケルンがおすすめ。ヨーロッパ滞在が長くて、日本が恋しくなった人には、お手軽なミニトウキョウで、しばしホームシックを慰められます。

私がデュッセルドルフで仕事をしていた時、日本から出張でやってきた営業マンが、ドイツ飯はスカン、と、昼は毎日カップラーメン(純日本製)、夜は日本食レストランで散財していたことがありました。1週間、ず~っとです。

1週間くらい日本食を我慢できない奴を海外出張に出すな! バカモン!

と、私はオフィスでおかんむりだったのですが(カップラーメン30個の調達を頼まれた怨み。自分だけ食べるのはイカンと思ったらしく、他の人の分まで入手せねばならず、私は段ボールを抱えてインマーマン通りを歩かされたのです)日本人駐在員は笑っていたし、ヨーロピアンの同僚は、その出張者に呆れていたし、私ひとり、なんだかビンボーくじを引いた気分でした。

すみません。昔の怨みを綴ってしまいました。

ケルン vs デュッセルドルフの図式、ご理解いただけましたでしょうか? ちなみに日本では「犬猿の仲」と言いますが、ドイツでは「Hund und Katze フント ウント カッツェ 犬と猫」と言います。ご参考まで。