森へ行こう!「あたらしい森林浴」小野なぎさ著

隆祥館書店の二村店長に選んでいただいた本です。デジタルに埋もれてしまっている現代人にうってつけのリフレッシュ法-それが「森林浴」。ツナミやスシ同様、Shinrin-Yoku という言葉も、少しずつ世界で認知されてきているというのは、嬉しい事実です。

ドイツ在住時は、週末に森の中を散歩するのが楽しみでした。マイナスイオンを胸いっぱい吸いこみながら、鳥のさえずりを聴き、落ち葉を踏みしめて歩く。犬と散歩している人に出会ってワンちゃんの名前を尋ねたり、時には乗馬している少女がいたりして、なんというか《ドイツらしいなあ》と感じ入ったものでした。

日本には手入れの行き届かない森が大量にあるそうです。国土の大半が森林に覆われている我が国の、その大事な森が活かされていないというのは、ものすごおくモッタイナイ。森林浴というレジャーが一般化して、森の手入れには需要があると気がついた森の持ち主や周囲の人が、積極的に森林の保護に動いてくれたら。ひじょうに他力本願ではありますが、そんな希望をこめて、この本を推薦します。

副題「地域とつくる! 健康・人材育成プログラム」

対処医療ではなく予防医療、つまり緑を楽しみながらヘルスケアに取り組む。なんて健康的な考え方でしょう。鎌田實先生も食育など生活改善を積極的に訴えていますが、その生活からさらに一歩進んで、余暇をもっとヘルシーにする、さらに欲張ると、リフレッシュ体験をビジネスにする、まで発展します。(飛躍し過ぎ?)

一人一人がより健康になり、抵抗力をつければ、コロナも恐れることはない(もちろん感染対策は必要ですが)。

地域と人を元気にし、成長もさせてくれる森林浴。うまく取り入れて、健康増進に励みましょう。この「あたらしい森林浴」を読んで、願わくば、起業意欲が刺激される人材が増えてくれれば、地球の温暖化にも歯止めがかかって、異常気象も沈静化に向かうのでは、と壮大な妄想を膨らませております。森の持ち主さん、木を切らないでくださいね。