「大事なことほど小声でささやく」本のタイトルにして真実です。 

心の傷は、ぜーんぶ、ここに置いて帰りなさい。

なんて言われたら、泣きそうになってしまいますね。そんな、せつないけれどあったかい「スナック ひばり」と、その店のママを中心に、個性的な登場人物が短編連作として仕上がっている、ユーモラスでちょっぴり涙ぐめる小説です。

こちらも、いわた書店の昨年の売上ランキング上位を占めた作品。少しお下品なのが、岩田店長の好みなのでしょうか。マッチョなオカマやエロジジイ社長といった面々が、下ネタを連発していて、お好きな方なら、はまりそうです。

清史郎ゴム株式会社の誤変換は、ぜひ、この本を手に取って、実際に目で見て《爆笑》してください。

「井上美鈴の解放」を読むと、柚月裕子さんとか、髙村薫さんとかを彷彿とさせます。バイオレンスの世界を可憐な女性が描いているというのは、ありがちなのかも、と、一人納得しておりました。

作者は森沢明夫さん、他の作品も読んでみたくなる名品でした。